あとがき


 住友生命が「笑顔」をテーマに、全国の男女各1000人を対象にアンケートを実施した。2010年8月12日に発表された調査結果をみると、1日のうち笑顔になっている時間は、平均で118・4分、約2時間だそうだ。年代別では、20歳以下が最も長い151・8分となったのに対し、40歳代は97・6分で最短だ。男女別では、男性の75・6分に対し、女性は2倍以上の161・1分となっている。回答者自身が笑顔になっていると思っている時間だから、本当に笑顔になっているのか、「微笑みかげん」なのかは分からない。
 中年の働きざかりは笑う時間が少ない、男性は笑う時間が少ない、となると「オトコ社会」と言われる労働組合にも関係があるかもしれない。労働組合員とそうでない人で比較したデータはないが、できることなら、労働組合活動に参加している人ほど微笑みかげんでいてほしいものだ。

 社会の転換期にあって労働組合の役割も問われている。というより、現代の社会状況のなかで、労働組合の存在のありようそのものが問われている。そんな時期に、私自身の「区切り」として、労働組合にかかわる問題意識を書いた。
 私には、いつもたくさんの仲間や友人が周りにいた。いつでも助けてもらった。この体験的運動論、組織論も、私のまわりの多くの仲間たちから教示されたものに依拠している。原稿を書いていても、たくさんの仲間たち、かかわりあった人たちの顔が浮かび、「裏切れないなあ」と左右の脳がつぶやく。

 今年また日本の科学者がノーベル賞を受賞した。ヨメさんが「あんたにはノーベル労働賞をあげる」と言った。彼女には、何と言って感謝すればいいのだろう。
 出版に際しては、日本機関紙協会埼玉県本部の二橋元長、田中友里の両氏、あけび書房の久保則之社長に大変お世話になった。
  この9月で96歳を迎えた下関の母に、「あんたの息子は、こんな世界で頑張っているんだよ。もうしばらく見ていてくれ」と伝えたい。

       2010年11月   原冨 悟